2020年春に日本でも販売の開始されたMSRウインドバーナー。
あのJETBOILと同じような、クッカーとバーナーが一緒になった、熱効率の非常に良い、クッキングシステムです。
このタイプの装置は、ほぼJETBOIL一択だったため、このMSRウインドバーナー、JETBOILと何が違うの?って気になりますよね?
そして、結局どっちが良いの? って思うんじゃないかと思います。
ということで、MSRウインドバーナーとJETBOILのスペックの違いがわかる比較表を作成してみました。
また、スペック表だけではわからない、各システムの特徴も比較した結果;
- 雪山で1日以上の山行を沢山する方。
- 3シーズンでも1日以上の山行で3食以上するような方。
- 登山でなくてもロングトレイルで数泊歩くような方。
- 今後このようなことがしたい方。
はJETBOILより買いかもしれません。
そのようなアクティビティーをあまりされない方は、このMSRウインドバーナー、価格が26000円+税とJETBOILに比べて高いことを考えると、自分はJETBOILで十分じゃないかと思います。
少し細かく比較していくので、少しでも何かの参考になれば幸いです。
MSRウインドバーナーとは?
2020年春に日本でも販売を開始した、MSRウインドバーナー。
JETBOILと同様燃焼効率の非常の良い、クッカーとバーナーが一緒のクッキング装置です。
2014年にはアメリカでは販売さえていたMSRウィンドバーナー。日本での販売許可が降りて、今春販売が開始されました。
JETBOILと同様オールインワン設計で、全てを1つにまとめることが出来、収納時にコンパクトになります。
このタイプのシステムは、今まで選択肢がほぼJETBOIL一択(JETBOILでタイプ違いはありますが)だったため、このMSRウインドシステムは気になりますよね?
さて、何がJETBOILと違うのでしょうか?
MSRウインドバーナーとJETBOILの違いは?
MSRウインドバナー&JETBOIL全機種比較表:
上記は公式メーカー表示スペックを比べてみたもの。
MSRウィンドバーナーとJETBOIL全機種を比較してます。
MSRウインドバーナー vs JETBOILフラッシュ:
上記表だと見にくいと思うので、JETBOILの中でも一番出力が高く沸騰到達時間の短いJETBOILフラッシュと比較してみます。
このタイプのシステムは個人的には調理用というより、効率的に湯を沸かし、フリーズドライフードやカップラーメンを食べたりするのに向いていると思うので、
それに特化したJETBOILフラッシュが他スペックも似ているため、良い比較対象になるかと思いました。
スペック | MSRウインドバーナー | JETBOILフラッシュ |
---|---|---|
容 量 | 1.0L | 1.0L |
重量(ガス缶無し) | 465g | 440g |
サイズ(収納時) | D10.7cm×H18.1cm | D10.4cm×H18cm |
沸騰到達時間 (0.5L) | 2分15秒 | 1分40秒 |
出 力 | 1,765kcal/h | 2,269kcal/h |
ガス消費量 | 約143g/h | 約139g/h |
「MSR ISOPRO 227G」 1缶で約18Lの水を沸騰可能 | 「ジェットパワー100G」 1缶で約10Lの水を沸騰可能 | |
素材 | アルミニウム(クッカー本体) | アルミニウム(クッカー本体) |
イグナイター | 無し | 無し |
特徴 | 防風性の高さ | 沸騰インジケーター |
価格 | ¥26,000+税 | ¥14,800 +税 |
沸騰到達時間はご覧の通り、2分15秒 vs 1分40秒 とJETBOILフラッシュがダントツで勝利!
そして、JETBOILシリーズの中でも最高出力(2,269kcal/h)のフラッシュのガス消費量と比べ、MSRウインドバーナーの方が燃費が若干わるい。
それでいて、価格差が1万円以上。
参考に他のJETBOILシリーズも少し見てみよう。
JETBOILミニモ&マイクロもの比較(参考)
スペック | JETBOILミニモ | JETBOILマイクロモ |
---|---|---|
容 量 | 1.0L | 0.8L |
重量(ガス缶無し) | 500g | 400g |
サイズ(収納時) | D12.7cm×H15.2cm | D10.4cm×H16.5cm |
沸騰到達時間 (0.5L) | 2分20秒 | 2分20秒 |
出 力 | 1,404kcal/h | 1,404kcal/h |
ガス消費量 | 約120g/h | 約120g/h |
「ジェットパワー100G」 1缶で約12Lの水を沸騰可能 | 「ジェットパワー100G」 1缶で約12Lの水を沸騰可能 | |
素材 | アルミニウム(カップ本体) | アルミニウム(カップ本体) |
イグナイター | 有り | 有り |
特徴 | 広口 | |
価格 | ¥19,500 +税 | ¥18,500 +税 |
沸騰到達時間(0.5L):
MSRウインドバーナー:2分15秒
JETBOILミニモ:2分20秒
JETBOILマイクロモ:2分20秒
とゆうことでMSRウインドバーナーは同条件上での単純比較であれば、JETBOILのミニモ&マイクロモとは同等であることがわかる。
耐風性の違い:
ここまでで見ると、価格差が1万円以上するなら、JETBOILフラッシュではなく、MSRウインドバーナーを購入する理由があまり見当たらない。
しかし、スペック表には載っていない、MSRウインドバーナーのまさっている特徴があるのを見過ごさないでほしい。
防風性の高さ:
少しわかりづらいが、見てもらえると、MSRウインドバーナーは火元が完全にカバーされており、風が遮断され、防風性が非常に高い構造になっている。
名前の通り、耐風性の高さを考慮した設計になっているのだ。
逆に、JETBOILは火元部分に風が入ってきてしまう構造になっている。
ここがMSRウインドバーナーとJETBOILとの大きな違いだ!
そして、1万円以上の価格差があっても、ある特定の条件を多く経験するユーザーからすると、メリットのある部分である!
実際に経験したことがある方も多いかもしれないが、実際にJETBOIL、風の強いところだと点火した火が消えてしまうことがある。
そんな中、MSRウインドバーナーは同条件下でも、多少の燃焼効率の低下はあるが、火が消えることはなさそうだ。
耐風性の高さのメリットは?
ここからの疑問は、その耐風性の高さって重要?ってことです。
耐風性が高いに越したことがないのは言うまでもないです。強い風でも消えない方が断然良いですから。
それが1万以上の価値があるかです。
ここからはその人のスタイルや好き嫌いに左右される部分も大きいですが、私の意見は最初に行ったように、
- 雪山で1日以上の山行を沢山する
- 3シーズンでも1日以上の山行で3食以上する
- 登山でなくてもロングトレイルで数泊歩く
- 今後この様なアクティビティーをしてみたいと思っている方
のようなスタイルであれば買う価値があるのではと思います。
*MSRウインドバーナーやJETBOILのようなクッキングシステムは調理には向いておらず、お湯を効率よく作る装置として、フリーズドライフードやカップラーメン、スープなどで使用するという前提で話します。
雪山で1日以上の山行を沢山する
雪山でも日帰り登山であれば、お昼の1食だけで、他は行動食というパターンが多いかと思います。
それであれば、正直、山専ボトルで十分です。
非常に保温力の高い保冷ボトルなので、朝沸騰したお湯を入れていけば、山頂でもカップラーメンが食べられるほど熱いお湯のままなので、
お湯を沸かす手間もありません。0.9L、0.75L、0.5Lと容量の違いがあります。
そうじゃなくても、雪山で食を時は、テント内か、もしくは雪洞野中だったりすることが、多いので、防風性の高さはそこまで関係ないと思うので、すでにJETBOILを持っていて買い換えるメリットはあまりないかもしれません。
3シーズンでも1日以上の山行で3食以上する
といっても、料理を凝る方じゃなく、基本フリーズドライフードなどをメインで行動する方限定かなと思います。
個人的には、このMSRもJETBOILも調理には向いていないので、登山においても、キャンプにおいても、基本的にお湯を作る道具として考えた方が無難かと思います。
料理をするのに他のバーナーやクッカーを持っていくのに、このシステムも持っていくメリットはあまりないと思います。
しかし、数日の縦走を山でするとなると、持っていける食材も保存のきく、フリーズドライフードのものが多くなるので、その場合効率がよく、風の強いシチュエーションでも安定してお湯の作れる、MSRウインドバーナーは強い味方になりそう。
登山でなくてもロングトレイルで数日歩く
これも上記と同じ理由です。
ロングトレールの場合、食事をする場面はテントの中だけとは限らないので、風がビュンビュン吹いているところで食事をあえて取ることはないかもしれませんが、
風の強い状況下でも安定してお湯の作れるMSRウインドバーナーは強い味方になりますね。
今後この様なアクティビティーをしてみたいと思っている方
そして、現在そこまでのアクティビティーはしてないけど、そうゆうことをしてみたい!そうゆうことをするつもりだという方は、
MSRウインドバーナーは長い目で考えれば、最初からMSRウインドバーナーを買う方がお得なかもしれませんね。
結局MSRウインドバーナーとJETBOILどっちがいい?
比較結果、同条件下のスペックにおいては、JETBOILフラッシュの沸騰到達時間には及ばないものの、ミニモやマイクロモと同等の性能を誇っており、
燃費が若干JETBOILに分があるように見えるが、耐風性の高さが、色々な条件下での使用においては、JETBOILを上回っているのではと感じさせる。
これから、雪山登山や雪山キャンプ、もしくは数日間の縦走やロングトレイルを歩くような方で、荷物を厳選して、食料はフリーズドライフードがメインなアクティビティーを考えている、してみたい方で、
まだJETBOILなども持ってない方は、高く感じるかもしれないが、耐風性の高さは、これからのアウトドアアクティビティーにおいてとても助けになるので、
JETBOILに比べ1万円以上の価格差でも、長い目で見ればそれを補う価値はあるのかなと思います。
正直、既にJETBOILを持っているなら、耐風性が高くて良いですが、買い換えるほどの必要性はないのでは!
それなら、既にあるものじゃなく、持っていない道具や新しいアクティビティーのために使った方がより良いと思いますよ。